間取りは優先順位を整理して

デザイナーの方からの提案は1階が吹き抜けリビング(キッチン・ダイニングひと続き)の吹き抜け、2階が寝室、バスルーム(洗面・ランドリー)でした。
(1階には作業場として使う土間も配置、バルコニーは2階の北側)

 

正直デザイナーの意図がわかりませんでした

確かに吹き抜けのリビングは憧れもありましたし、キッチンは1階に配置しないと水やお米など重いものを2階に運ぶことになりますので、1階LDKがだめというわけではないのですが、玄関からリビングが丸見え?物干しが北側?2階からの眺めを楽しめるのは寝室からだけ??シューズインクローゼットが玄関とは完全に切り離され、出入口も別々?疑問だらけでした。

 

吹き抜けリビングより洋室ひと間確保

吹き抜けを作ることで、吹き抜け部分の2階はスペースを諦めることになります。
ゲストルームとしても使えるような洋室が欲しかったこともあり、吹き抜けは諦めることにしました。代わりに眺めが良い2階にリビングを持っていき、バルコニーを広くしてもらいました。

また、吹き抜けの開放感とまではいきませんが、リビングの天井を高くし、勾配天井にしてもらいました。勾配は屋根に並行しており、南側の高さは3.7mほどあります。

勾配天井(伝わるかな?)

 

バルコニーは本当に必要か?

バルコニーにテーブルセットを置いて、たまに屋外で食事するのも良いなと思い、奥行きを広くして欲しいとリクエストしたところ、このままでも(奥行き90cm)十分広いですよ、それ以上広くして、本当に使うかどうか考えてみてくださいとデザイナーの方に渋られました。

物干し専用ならば奥行き90cmで構いませんでしたが、ランドリーは1階で庭側に干すスペースがありましたし、リビングの南側バルコニーに洗濯物を干す予定はありません。中途半端なバルコニーだとそれこそ用途不明。エアコンの室外機を置く程度で終わるでしょう。

バルコニーにスペースを割かずに部屋数を多くしましょう、または、部屋の大きさを確保しましょうということなら説得されたかもしれません。

結局は限られたスペースに対してどの空間にどの位の大きさを割り当てたいかの優先度を整理し、動線を考慮して配置していくということに尽きると思います。

 

建ててみてからの満足・不満足【間取り・構造編】

☆満足☆

・明るい陽が差すLDKはお気に入り

・窓からの眺めも良く癒やされます

・リビングの勾配天井、キッチンの下がり天井

・リビングの隣に配置した書斎は大きめの室内窓で開放感も確保

DIYや陶芸ができる土間スペース(色々と便利)

・キッチン横のパントリー(色々なものを収納しています)

・1階と2階にそれぞれトイレ(あって良かった)

・2階トイレ横の洗面スペース(これは必須でした)

 

☆不満足/後悔☆

・階段はもっと幅広にしたかった(可能だったかは不明)

・土間と洋室はもう少し広くしたかった(できたはず)

・寝室横のウォークインクローゼットは狭くて憧れとは程遠い

・寝室とバスルーム/洗面を(壁や扉仕切りで)つなげたかった(ホテルっぽく)

・ウォークインクローゼットもランドリールームと扉仕切りでつなげたかった

・お風呂の隣に小さい中庭が作れたかも?

・庭のスペースが中途半端だったかも

・アプローチの幅が狭く軽自動車くらいしか入れないのに広すぎた駐車スペース

 

総合点としては85点くらいです。

素人が建築デザイナーにあれこれ言って間取りをごそっと取り替えてもらったことを考えると上出来だったのかもしれません。

 

上の窓のシェイドを上げて撮影すれば良かった...

構造デザインで三度現実を思い知る

この土地でどうかな?っていくつか候補を見つけた段階で、建築デザイン会社からは、一旦Aという土地を基準にしてシミュレーションしてみましょうということで、こんな建物を建てたら、いくらいくら掛かりますと見積もりを出してくれました。

 

最終的には購入しませんでしたが、土地Aは建物が残っている土地だったため、解体にはいくらくらいかかるとか、土地が広いので大きな家を建てることは可能だけど、建築費がかさむので、予算に合わせるならこれくらいの大きさになる。必要なスペースは確保できるが、庭が大きくなり、固定資産税を考えるとバランスが悪いということまでアドバイスをもらいながら、平屋にしたらどうか等、要望と予算感のすり合わせをしていきました。

 

ここでまず最初の「現実を思い知る」がやってきます(笑)

こんな家を建てたいと思っていたけどこれくらいの予算が必要なんだ、とか、その会社の建築事例から、こんな家が良いのですがと要望してみるものの、この間取りだとこういうデメリットがあるとか、それだとこうなりますが良いですか?などなど、注文住宅といえども予算の兼ね合い等々で諦めないといけないことがでてくるんだなと。

 

建ぺい率、容積率だけでは見積もれない土地のポテンシャル

二度目の「現実を思い知る」は、購入した土地に対して、間取りのプランが出てきたときでした。建ぺい率、容積率しか頭にありませんでしたが、旗竿地のような形をした土地だったので、土地の入口から建物までのアプローチ部分は幅約2mの通路にしかならず、車庫や庭のスペース、さらに建物は隣地からセットバックしなければならないことを考慮すると、単純に土地面積に建ぺい率、容積率をかけたポテンシャルの半分くらいの大きさになっていました。

 

3階建ても検討したけど

3階建にしたらどうかとは思いましたが、準防火地域で公道には直接面していない土地であり、建物までのアプローチ部分に幅2mギリギリのところもあり、あまり大人数が居住できる家にしてしまうと建築許可が下りない可能性があると、嘘か真か説得されました。

実際3階建てはコストもかさむし、1階⇔2階の行き来だけでも面倒なところ、3階が加わると更に大変になり、3階から1階玄関に宅配便を取りにいくだけでもしんどいです。そのため普段使うスペースは1階または2階にするのが現実的ですが、そうなると3階はほとんど使わないスペースになる。予算が限られているのに、使わないスペースにお金をかけますか?となるわけです。

 

デザイナーとの方向性の違い

今思えば、間取りを考える過程では私があれこれと要望を出してスペースを広げるのに対して、デザイナーは予算も考慮しながら無駄を排除し、要望を畳んでいく作業をしていました。噛み合うわけないんです(苦笑)。

私は「家には多少無駄なスペースというかゆとりを作っておかないと柔軟性・拡張性がなくなる」と考えるタイプでしたので、とにかく必要なスペースに絞って無駄を削ぎ落としていくやり方には相容れないものがありました。

打ち合わせのたびに収納スペースが足りないのではないかと心配...を繰り返す私に、デザイナーの方も辟易した様子で、「でしたら収納するものがどれだけあるのか、容積を測ってください」と言い出す始末。

実際指示通り測りましたよ、大変でしたが。

書籍類が何平方メートルとか、調理器具類がどれだけとか、洋服がこれくらいとか。

でも、そのお蔭で調理器具や食器類を収納するパントリーを作ってもらいました。

そして、今はそのパントリーをとても便利に使っています。調理器具や食器類ではないものを置いてますが(苦笑)。

 

2階のトイレに洗面がない?!

脱線しますが、あれこれ迷った末、キッチン・ダイニング・リビングは2階になりました。トイレは1階にも2階にも作ってもらったのですが、当初の図面では2階のトイレの横には洗面台がありませんでした。

ん?これってどこで手を洗うことになるの?まさかキッチンじゃないですよね??となり、足してもらったんです。

危なかったです。生活している今、大半の時間を2階で過ごしており、1階のトイレより2階のトイレの方が断然使用頻度が高い。洗面も、1階のバスルーム・ランドリールームと一続きになっている洗面台より圧倒的に使っています。歯磨きも2階です。
1階の洗面台は2階の洗面台の2倍以上大きいですが。

 

間取りに関してはもっといろいろなドラマがありました。
長くなってしまうので、別で詳細をお話しようと思います。

 

外観のデザインに失望

3度目の「現実を思い知る」は、確定した間取りに対し、外観の3Dデザインを出してもらったときでした。正直、夢と現実の落差に驚き、失望しました。

思っていたよりこじんまりした家なんだ...何この外観、笑っちゃうくらい変なんだけど..逆にこちらの案は平凡すぎて、こんなの夢見ていた注文住宅じゃない...

やっぱりこういうレベル感の建物になってしまうのかと、恐れていたことが現実になってしまいました。施工事例に載ってくるような素敵な家はどういう注文の仕方をしたらああなったのか、教えて欲しいと思いました。

とはいえ、土地も契約済だし時間をかけて間取りを決めてきて、今更引き返せないし、いくつかパターンを出してもらった中ではシンプルで違和感のないデザインのものを選び、内装で取り戻そうと気持ちを切り替える私でした。

 

施工会社によってできることが変わってくる

今から振り返ると、家を建てる前は本当に何も知らなかったし、それだけによく建てられたなぁと思うんですよね。

施工事例を見るのが好きで、ネットで検索して色々眺めているうちに、ある建築デザイン会社に行き着き、土地探しも手伝ってくれるというので説明会に参加したのが始まり。

不動産会社と違って、土地を売りたい人たちではないので、第三者的にアドバイスしてくれそうだったのが決め手といえば決め手でした。

 

比較検討せずに決めてしまった

施工会社はそのデザイン会社からの紹介でしたが、一社のみで、比較検討の余地なく(要望出せばもっと紹介してもらえたかもしれませんが)そのまま決めてしまったのが良かったのか悪かったのか。

土地の売買契約で、万一建築許可が下りなかったら白紙撤回、ただし●月●日まで有効といったような条件付き且つ時限付きの契約だったことから急いでいたというのも大きいです。

特殊なケースでしたが、時間に余裕があったらもっと慎重に比較して選ぶということをしていたと思います。

 

施工会社によってできることが変わってくる

施工会社は取引している建材メーカーがあり、基本的に提携メーカーの製品じゃないと仕入れられないので、対応できませんということも普通にあります。

ウッドデッキは彩木が良かったんですが、取引がないとのことで断念しました。

「家が建ってから引き渡し後にご自身で手配されてはどうですか?」と言われましたが、引き渡しの際に1階庭側のウッドデッキがないのは嫌だったので。

今回契約した施工会社はパナソニックがメインの取引先で、キッチンやお風呂、扉などはパナソニックから選んでくださいという流れになりました。もちろんLIXILなど他にも取引しているメーカーはあり、どうしてもであればパナソニック以外の提携メーカーから選ぶこともできたと思いますが、見積りが大きく変わってくることになります。

 

できなかったこと

・木枠の窓

・大きく軒を張り出すこと(45cmしか出せないと...)

 

スウェーデンハウス

自覚がなかったのですが、スウェーデンハウスの外観にあこがれていたようです。(内側は見たことも住んだこともないのでわかりません。)

スウェーデンハウスが良ければスウェーデンハウスに、外観だけスウェーデンハウス風、内側はモダンにしたいなど、良いとこ取り&自由度高くいきたいならジューテックのような施工会社にするという選択肢もあります。

 

そんなことさえ知らなかった私。ここは本当に後悔しているポイントです。

ただ、分かりません。他を選んでいた方が本当に良かったのか。そちらを選んでいたら選んでいたで、きっとできなかったことがあっただろうなと想像しています。

 

また、取引メーカーに縛られずに完全に自由に選んで施工できるやり方もきっとあると思います。サンワカンパニーのような建築資材や住宅設備を販売している会社もあり、施工してくれる工事会社を紹介していたりするので。

 

自由度が高いことと引き換えに、責任の所在が不明確になり、なにかトラブルが発生してもすべて施主側が対応しなければならなかったり、トータルで考えると高くつくことになるかもしれません

混迷を極めた外壁選び

時系列で考えると順番がめちゃめちゃですが、硬い話と柔らかい話を交互にしていこうかと思います。硬い話はあまり楽しい話にならないので、私のモチベーションが続かないためです(苦笑)。

さて、今回は唐突に外壁の話です。

注文住宅なのでよりどりみどり(いくらでも選択肢がある)、と思いきや、そうでもなかったという話と、素材のこと、色のこと等、経験談からの私の結論をお話します。

 

外壁の選択肢

実際はいくつもあるとは思いますが、私は当初タイルが良いと思っていました。

詳しく調べて比較検討したわけではありません。ただ漠然とそう思っていたのです。

ワイナリーで見かけるような石を積み上げたような外壁が好きで、可能であれば採用したいと思っていました。

これはタイルですらないですね(笑)

施工会社から、タイルは一枚一枚貼っていくことになり、手間賃がかなりかかるということと、鉄筋コンクリートの家を想定している建材だとの説明がありましたので(裏はとっていません)、タイルは早々に諦めることになりました。

私がなんとなく選んでしまったデザイン会社は「塗り」壁を得意としているようでしたが、塗りの壁はスタイリッシュですが、私はタイルがやりたかったくらいなのでサイディングを希望しました。塗りの場合は完全なる偏見だと思いますが、カビ対策も不安でした。もちろんサイディングもカビが発生している家は沢山目にしたことがあります。

 

サイディング

主要メーカーは「ニチハ」と「ケイミュー」になるかと思います。もちろん他にもいくつかあります。旭トステムLIXIL)なども建材を色々見ている中で浮上してくることでしょう。

ニチハ

https://www.nichiha.co.jp/

ケイミュー

https://www.kmew.co.jp/

 

私は最終的にはニチハにしました。最寄りのショールームが充実していて、製品が選びやすかったのが理由です。

ケイミューのカタログで見て気に入ったのはよく屋根材に使用されるガルバリウム鋼板をタイル状に施工していくタイプのサイディングでした。タイルの様に一枚ずつ?施工していくため、やはり手間賃が高額になるとの理由で断念しました。

土地を購入する際、建築許可が下りるかどうかという特殊な条件の土地だったため、建築許可が下りなければ売買契約を白紙とする条件を付けていただいたのですが、それにも時限があったため、施工業者からは「申請に必要な構造設計を早く終わらせる必要がある」ということで外壁材も至急選んで欲しいと言われていました。

そのためケイミューはあまりしっかり製品を検討したりできていなかったです。

時間が許せばもっとニチハと比較検討したかったですが。

 

ニチハのFu-ge(フュージェ)

サイディングは455×1820mm等、大きめのピースをつなぎ合わせていくものになるため、つなぎ目ができてしまうのですが、そのつなぎ目が結構目立っているお家をたびたび目にします。このつなぎ目は気になる方とそれほど気にならない方いらっしゃると思いますが、私は気になってしまう派でした。

ニチハのFu-ge(フュージェ)は独自の施工方法で、このつなぎ目が目立ちにくいと言われています。柄や色などの選択肢が少なくなってしまうのですが、私はできるだけFu-ge(フュージェ)から選ぶようにしました。
つなぎ目の他にも色褪せに強かったり、雨で汚れを洗い落とすセルフクリーニング機能(マイクロガード)もついていたりで頼もしいです。

 

外壁の色

最初はネイビーとホワイト系のツートンカラーにするつもりでいました。

ただ、最初に選んだホワイト系のサイディングが、きれいなホワイトではなく、クリーム色に微妙にグリーンがかったような、最初から若干汚れているような変わった色味の木目調だったため、ネイビーと黄味がかったホワイトの相性ってどうなのかってずっと悩んでいました。だったらなぜ選んだのかって言われそうですが...

サイディングは小さなサンプルでしか色味を確認できないので、大きく貼られたときにどう見えるのか、お日様の下でどう光が反射してみえるのか等、想像するのが難しくて困りました。特にネイビーの色味が濃く見えるのか、グレーがかって見えてしまうのか、模様の凹凸・陰影によって、同じ色素を使っていても見え方が違いますし、ブルー系は本当に微妙で難しかったです。

人生で注文住宅を建てる機会なんてそうそうないですし、外壁の色が思った色じゃなかったなんていうことになったら悲しいですよね。

ネイビーxホワイト(クリーム?)系で当初は検討していました

 

窓との相性

ツートンの外壁の色味の相性の他にも、窓枠の色との相性も考えないといけませんが、正直窓枠の色の選択肢はあまり多くありません。いや、お金をかければいくらでも好きにできるのかもしれませんが、施工会社によっては取引のあるメーカーが限られていて、自ずとできることも限られてきますし、窓はこれも話すと長くなるので別で詳しく語るとして、機能やサイズも考えなければならないアイテムです。

内側と外側の両面があり、外と中で窓枠のカラーを変えられるものもありますし、アルミなのか樹脂なのか、外はアルミで中は樹脂、同じホワイトでもアルミ色と樹脂色では全く違ったりと考慮しなければならないポイントが満載です。

機能で窓を選んだときに、外側のアルミ色がほんのすこし黄味がかったホワイトだったりして、単体ではむしろ今、真っ白なホワイトよりも人気があるカラーなのかもしれませんが、ネイビーの外壁との相性はいまいちな様に個人的には感じていました。(やっとここに戻ってきましたw)

そのため、別のメーカーの外側の窓枠が真っ白なホワイトになる商品を探したりしてファイナルアンサーを出さないといけないギリギリまで外壁の色は、最初の選択から変えるべきかを悩んでいました。

 

最終的にはグレー系に

建築許可を取るための申請に間に合わせるために、当初外壁はすぐに決めないといけませんでしたが、結果、申請に対して役所から何度も指摘があり修正をして再度提出するを繰り返すような状況になり(施工会社の対応ですが)、土地の売買契約に付けていた条件(建築許可が下りなかったときの白紙撤回)の期日も何度か後ろ倒しにしてもらっていました。

そんな感じでしたので、色くらいはゆっくり選んで良いですよってことになったのです(重さが変わらなければ構造設計には影響しないですし)。

いよいよファイナルアンサーっていうタイミングでニチハにプラン(サイディングの貼り分け図のようなもの)を出してもらうために再度ショールームにうかがたのですが、そのときついに、別の色も検討させて欲しいと言って、ネイビーxクリームのパターンにグレーxホワイトのパターンを出してもらって検討しました。

ネイビーで悩みに悩んでもう疲れてしまったのもあり、不安もあり、最終的には無難なグレーに寝返りました(苦笑)。悩みがなくなって本当にスッキリ、気持ちが晴れ晴れしました!!!

※最終的に選んだホワイトの外壁はこちらの写真には載っていません

 

仕上がりはこうなりました

この色やデザインは他人ではなく自分がいかに気にいるかが大事、だと個人的には思います。そういう意味では上出来です。

後から気づいたのですが、リビングの掃き出し窓から見えるベランダの外壁色(グレー)も内装と相性が良いんです。そうなるのが普通なのかな??

 

土地探しは気長に、でもクイックに

「マイホームを持ちたい」という漠然とした思いから、つぎに思い描くのは「どこに?」ということなのではないでしょうか。

引退後のことも考え、最初は自然の多い地方への移住を考えていました。

長野に素敵なデザイン住宅を建てた知人がいて、長野の暮らしを想像してみたり、壮大な山々を臨む地方都市が好きで、富山、長野(松本)、山梨の土地を検索してみたり、美しい海を眺めて暮らせる沖縄や九州(福岡)、温暖な気候で観光地としても大好きな愛媛も候補になっていました。

でも東京で生まれ育った私は好きなときに友人に会いにいける、来てもらえる距離だったり、年をとってからの暮らしやすさ(やっぱり都会は便利)から関東圏に志向がより戻っていったんです。

色々な物件サイトを眺めては大体の相場を掴んだり、気になる土地の公共交通機関への距離、スーパー、コンビニ、郵便局、銀行へのアクセスを調べてみたりしていましたが、まだ、漠然とした将来の憧れの域を超えていませんでした。

 

ブレイクスルーはコロナ禍の生活

コロナ禍...人生でこんなに大きな歴史的イベントに遭遇するとは思いもよりませんでしたが、職場も完全在宅になり、感染への恐怖心から2年程度の巣ごもりを経験し、好きだった旅行にもいけないので小銭が貯まります。

頭金として使えそうなまとまった額の貯金ができたところで、物価の上昇が止まらず、お金を銀行に預けているだけだと価値がどんどん目減りするという焦燥感が日に日につのっていきました。

夢のマイホームに一歩ずつでも踏み出してみよう、そう思い立ち、注文住宅で有名なデザイン会社の土地探しの相談会に参加したのが始まりです。

資産形成なら断然マンションなのですが、家を建てるのが夢だったため注文住宅での戸建てに心は決まっていました。

 

アプリで土地探し

土地探しの相談を行ったその某建築デザイン会社が開発したアプリを利用させてもらいましたが、複数の不動産物件紹介サイトの物件を横断で検索ができ、地図上に価格を表示してくれる機能があり、格段に探しやすくなりました。

気に入った物件をブックマークしながら、実際にその土地を見に行ったり、こういう土地はどうでしょうかとデザイン会社の営業担当の方に相談しては、「この土地はがけ崩れの恐れがあるハザードマップでレッドゾーンの土地です」等のフィードバックをもらって考え直すを繰り返していました。

 

なぜその土地にするのか

実際にその土地に赴き、自転車で複数の物件を見て回っていると、地域の雰囲気が自ずとわかります。

予算の問題で、東京や神奈川だと郊外の土地になるわけですが、工場地帯と隣り合わせの町だったり、特にこれといった特徴もない住宅街だったり、次第になぜわざわざその土地にするのか、動機づけをより意識するようになりました。特にそのときは東京に住まいがあり、実家もマンションではあるけどやはり東京でしたので。

そんな経緯を経て、かねてから憧れの地であった鎌倉にフォーカスすることになりました。海があり緑も多く都心にも比較的気軽にアクセスできる観光都市。

 

気長に探すつもりで

予算内に収まり、ある程度の広さがあり、交通機関やスーパー、コンビニまでのアクセスが比較的便利な土地を鎌倉で探すとなると、そうそう良い物件が日々出てくるわけでもなく、供給より需要の方が大きい状態ですから、売れずに残っている土地にはそれなりのワケがあるものです。

だからこそ、優良物件が追加されていないか毎日更新をチェックした方が良いのです。掲載された瞬間に売れてしまうこともある世界ですし、チャンスをひたすら待つ長期戦です。私は5年くらいかけるつもりでした。それほどのんびり構えていたんです。

でも、色々な物件を検討し、現地を見に行ったりする中で、運命を感じる瞬間ってあるものです。あ、この土地かもしれないって。そういう土地だと、それまで私が気になる物件に対して、これこれこういう点が懸念点ですよね、と、建築デザイン会社の担当さんもあまりオススメしませんというフィードバックが多かった中で、はじめて「良い物件だと思いますよ、オファーしますか?」って前のめりになってきたりするんです。

本格的に土地を探し始めて、まだ1年も経っていないタイミングで、トントン拍子に話が進んでいくことになりました。

 

もう少し慎重になればよかったか?

確かに振り返ってみると興奮して焦り過ぎていたように思いますし、もっと不動産や法律のことを調べてからにした方が良かったと後悔した面もあります。

それでもあのときチャンスに乗らなければ、今の家は手に入っていなかったことになりますし、慎重すぎても、この後もっと条件の良い物件が出てくるかもしれないとチャンスを逃し続けることになり、結果、憧れのマイホームは永遠に夢のままです。

 

私道には注意

あまりにも知識がなかったと言わざるを得ませんが、家の前の道が私道であるという点、土地の購入を決断したときには大きなデメリットとも思っていませんでした。

考えてみれば当たり前なのですが、不動産会社からも特に「家の前の道が私道になるんですが、本当に大丈夫ですか?」などと言うことは一切聞かれませんでしたし、むしろ強調したくないデメリットです。今思えば懸念を打ち消すような「掘削許可が取れていますので」といったことを強調されていたなと思います。

工事車両が入るにも、掘削をするにも、私道の所有者の許可が必要だったり、事前に伝えておく、挨拶をするといったことを求められたりしますので、煩わしいと感じる方は私道に面した土地は避けた方が無難です。(家を建設しているときだけではなく、その後もエアコンの設置などで車両を長く駐車しておくとき等にも気を遣わなければいけないのですから)

 

ライフライン

東京に住んでいると都市ガスなんて当たり前すぎて意識もしないのですが、東京でも郊外や、他県についてはそれが当たり前ではないということを思い知らされます。

私の購入した土地も最初は都市ガスが通っておらず、私道の持ち主に掘削許可をいただいた上で都市ガスを引くことになりましたし、掘削した後のアスファルトの処理については条件がついていたり、購入時に認識していた条件と先方が提示していた条件が噛み合わずトラブルになったり、先方の意向に沿って対応すると高額な工事費がかかったり、こんなはずじゃなかったということの連続でした。

公道だったら国や自治体が無料でやってくれることも私道だと話が変わってきます。

水道も「配管がもうかなり古く老朽化している恐れがある」(私道の部分について)「配管を新しくあなたの家専用に引く場合は既存の配管より太いものになり、既存の細い配管との互換性がないため全部を取り替える形になる」と言われ、新設する場合の費用がとんでもなく高額だったため泣く泣く諦めました。

電気についても他人の家の屋根の上に電線が通らないように、自身の土地に電柱を立てて電線を引いてくる必要もありました。

ライフラインは土地を購入する前に必ず確認しておくポイントなので、みなさまお気をつけください。(私は全然気にしておらず、土地を購入してから、建築するタイミングになって思い知らされておりました。知らないって怖いですねー。><)

 

はじめに

念願だった注文住宅を建てました。

土地探しから住宅ローン、デザイン・施工まで。

考えていたより遥かに難しい決断の連続で理想通りにはいかない、でも楽しさもあり、そしてやっぱり建ててよかったと、暮らすようになった今改めて感じています。

 

私のように限られた予算で注文住宅を建てようとされている方の参考になればと思い、私の体験を記していこうと思います。