構造デザインで三度現実を思い知る

この土地でどうかな?っていくつか候補を見つけた段階で、建築デザイン会社からは、一旦Aという土地を基準にしてシミュレーションしてみましょうということで、こんな建物を建てたら、いくらいくら掛かりますと見積もりを出してくれました。

 

最終的には購入しませんでしたが、土地Aは建物が残っている土地だったため、解体にはいくらくらいかかるとか、土地が広いので大きな家を建てることは可能だけど、建築費がかさむので、予算に合わせるならこれくらいの大きさになる。必要なスペースは確保できるが、庭が大きくなり、固定資産税を考えるとバランスが悪いということまでアドバイスをもらいながら、平屋にしたらどうか等、要望と予算感のすり合わせをしていきました。

 

ここでまず最初の「現実を思い知る」がやってきます(笑)

こんな家を建てたいと思っていたけどこれくらいの予算が必要なんだ、とか、その会社の建築事例から、こんな家が良いのですがと要望してみるものの、この間取りだとこういうデメリットがあるとか、それだとこうなりますが良いですか?などなど、注文住宅といえども予算の兼ね合い等々で諦めないといけないことがでてくるんだなと。

 

建ぺい率、容積率だけでは見積もれない土地のポテンシャル

二度目の「現実を思い知る」は、購入した土地に対して、間取りのプランが出てきたときでした。建ぺい率、容積率しか頭にありませんでしたが、旗竿地のような形をした土地だったので、土地の入口から建物までのアプローチ部分は幅約2mの通路にしかならず、車庫や庭のスペース、さらに建物は隣地からセットバックしなければならないことを考慮すると、単純に土地面積に建ぺい率、容積率をかけたポテンシャルの半分くらいの大きさになっていました。

 

3階建ても検討したけど

3階建にしたらどうかとは思いましたが、準防火地域で公道には直接面していない土地であり、建物までのアプローチ部分に幅2mギリギリのところもあり、あまり大人数が居住できる家にしてしまうと建築許可が下りない可能性があると、嘘か真か説得されました。

実際3階建てはコストもかさむし、1階⇔2階の行き来だけでも面倒なところ、3階が加わると更に大変になり、3階から1階玄関に宅配便を取りにいくだけでもしんどいです。そのため普段使うスペースは1階または2階にするのが現実的ですが、そうなると3階はほとんど使わないスペースになる。予算が限られているのに、使わないスペースにお金をかけますか?となるわけです。

 

デザイナーとの方向性の違い

今思えば、間取りを考える過程では私があれこれと要望を出してスペースを広げるのに対して、デザイナーは予算も考慮しながら無駄を排除し、要望を畳んでいく作業をしていました。噛み合うわけないんです(苦笑)。

私は「家には多少無駄なスペースというかゆとりを作っておかないと柔軟性・拡張性がなくなる」と考えるタイプでしたので、とにかく必要なスペースに絞って無駄を削ぎ落としていくやり方には相容れないものがありました。

打ち合わせのたびに収納スペースが足りないのではないかと心配...を繰り返す私に、デザイナーの方も辟易した様子で、「でしたら収納するものがどれだけあるのか、容積を測ってください」と言い出す始末。

実際指示通り測りましたよ、大変でしたが。

書籍類が何平方メートルとか、調理器具類がどれだけとか、洋服がこれくらいとか。

でも、そのお蔭で調理器具や食器類を収納するパントリーを作ってもらいました。

そして、今はそのパントリーをとても便利に使っています。調理器具や食器類ではないものを置いてますが(苦笑)。

 

2階のトイレに洗面がない?!

脱線しますが、あれこれ迷った末、キッチン・ダイニング・リビングは2階になりました。トイレは1階にも2階にも作ってもらったのですが、当初の図面では2階のトイレの横には洗面台がありませんでした。

ん?これってどこで手を洗うことになるの?まさかキッチンじゃないですよね??となり、足してもらったんです。

危なかったです。生活している今、大半の時間を2階で過ごしており、1階のトイレより2階のトイレの方が断然使用頻度が高い。洗面も、1階のバスルーム・ランドリールームと一続きになっている洗面台より圧倒的に使っています。歯磨きも2階です。
1階の洗面台は2階の洗面台の2倍以上大きいですが。

 

間取りに関してはもっといろいろなドラマがありました。
長くなってしまうので、別で詳細をお話しようと思います。

 

外観のデザインに失望

3度目の「現実を思い知る」は、確定した間取りに対し、外観の3Dデザインを出してもらったときでした。正直、夢と現実の落差に驚き、失望しました。

思っていたよりこじんまりした家なんだ...何この外観、笑っちゃうくらい変なんだけど..逆にこちらの案は平凡すぎて、こんなの夢見ていた注文住宅じゃない...

やっぱりこういうレベル感の建物になってしまうのかと、恐れていたことが現実になってしまいました。施工事例に載ってくるような素敵な家はどういう注文の仕方をしたらああなったのか、教えて欲しいと思いました。

とはいえ、土地も契約済だし時間をかけて間取りを決めてきて、今更引き返せないし、いくつかパターンを出してもらった中ではシンプルで違和感のないデザインのものを選び、内装で取り戻そうと気持ちを切り替える私でした。